【映画評】スター・ウォーズ/最後のジェダイ

スター・ウォーズの最新作@TOHOシネマズ日本橋

 

ネタバレを含む映画評は以下の通り。

 

結論から言うと、余りおススメしないです…

 

starwars.disney.co.jp

 

本作は前作のラストである、主人公のレイがルーク・スカイウォーカーと邂逅するところから始まる。レイは自らの出自を知るため、ルークと出会い、フォースとは何かを学び始める。一方、物語は並行してファースト・オーダーが圧倒的な軍事力で反乱軍を追い詰めていく。レイア率いる反乱軍は、多くの犠牲を払いながら逃げ延びるが、徐々に追い詰められていき、内部も混乱に陥る。お互いに争いを続ける過程で、ファースト・オーダー側の、もう一人の主人公とも言えるカイロ・レンとレイが、フォースの力により、徐々に心を通わせ、お互いに引かれ合っていく…というのが大雑把な粗筋。

 

さすがにスターウォーズシリーズということもあり、宇宙での戦闘シーンは相変わらず迫力があり、大変美麗な映像に仕上がっています。

 

ただ、正直、ルーク、レイア、チューバッカという伝説的な旧作陣と、レイ、カイロ・レン、ポー、フィン、そして新キャラのローズというフレッシュな新作陣がうまく混ざり合っていない。どれも魅力的なキャラクターではあるのだけれど、結果どれにもフォーカスできずに、散漫な印象を受ける。

 

また、これは他でも指摘されているようだけれど、脚本がかなり雑というか、無駄なものがかなり多い。

 

■最初の戦闘シーン、ローズの姉が命を賭して敵艦に爆弾を落とすのだけれど、正直初めに唐突に出てきて唐突に死んでしまうため、感情移入する暇が全くない。なので、その後の姉を戦争で失ったというローズの悲劇性もかなり薄れてしまっている。

 

■というか、ローズはもう少し何とかならなかったのだろうか。古い香港映画に出てくる飯屋の汚いねーちゃんみたいな出で立ちが強烈すぎて、ちょっとSWの世界観とは違い気がするんだけど…(まあ、古い世界観をぶっ壊しているという意図ならば当たってはいる)

コードブレイカーを探す件はかなり意味不明。結局お目当てのコードブレイカーではなく、牢屋でたまたま一緒になったベニチオ・デル・トロに託すのだけれど、結果見事に裏切られる。が、そもそも牢屋で一緒にあったどこの馬の骨とも分からない輩に託すほうがおかしいのでは??

結局、反乱軍本体はこの極秘作戦とは別に輸送艦でしれっと逃げるという作戦を決行しており、そもそもこの極秘作戦自体が無用になり、カタルシスが得られない。このエピソード、必要???

■反乱軍の提督が進める作戦なんだけど、飛行士のポーに対して、その意図を隠す必要性とは?クーデーター起こされるぐらいだったら、ちゃんと説明すればいいのでは?

 

などなど、2時間半程度の映画なのだけれど、話にちぐはぐな箇所が多い。結局、何のためにやっているのかが良く分からない。

 

そして、これはあまり指摘されていないが、カイロ・レンの醸し出す雰囲気が優しすぎることだ。旧作のダース・シディアスダース・ベイダーという圧倒的な力と無慈悲さという恐怖感がないため、全体的に緊張感がない。上記の荒っぽい脚本と相まって、かなり弛緩した内容になっている。アダム・ドライバーはいい役者だと思うけど…

 

総じて、今作では旧SWシリーズが積み上げてきたものを意図的に壊しにかかっている気がする。これは制作陣が前作である程度、旧作ファンに納得できるものを提示できたという手ごたえがあったため、今回は守破離の「破」として、前作とは違ったテイストをかなり注ぎ込んだという印象を受ける。

が、正直、壊さなくていい個所も壊しているため、作品として「SWってこんな話だったっけ??」という違和感を感じ続ける。

 

ただ、ある意味今作で派手にぶっ壊したため、エピソード9はかなり自由にまたさらに更新されたSWを提示できる下地ができたのではと、ポジティブにとらえることも出来るので、そこは期待したい。