【会計士関連】なぜ会計士は使えないのか シリーズ② そもそも会計士を目指す人って…

久々の会計士関連エントリー。前回は、公認会計士が所属する監査法人内の育ち方、つまり外部環境にフォーカスしたエントリだった。

 

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今回は、内部環境、つまり公認会計士を目指す人がそもそも事業会社、もっと言えばカチッした組織の中で生きることに向いていない人が多いし、監査法人を経由するとそういった組織の中での能力を得ないまま過ごしてしまうということを書いていきたいと思う。

【目次】

  1. 公認会計士を目指す人の性質(そもそも論)
  2. 監査法人内での”放牧”(監査法人、管理されない問題)
  3. ある程度自由にやらせるというスタンス(監査法人、管理しない問題)
  4. 転職市場に放たれる”大きな子供”

 

  1. 公認会計士を目指す人の性質(そもそも論)
    これは元も子もない話なのだけれど、そもそも公認会計士を目指す人とはどういう人だろうか?私も元会計士なので卑下するわけではないのだけれど、いわゆる三大資格である医者、弁護士に比べると割と消極的な理由が多いのではないだろうか?
    医者、弁護士と比べると割と幅広に色んなことをやっている人が多い一方で、「何をやっているのか、いまいち分からない」というのが、一般的な意見ではないだろうか。
    どちらかと言えば、大学生活を体育会やらで汗を流し切磋琢磨するわけでもなく、留学して知見を広めるわけでもなく、ゼミで猛烈に勉学に励むわけでもなく、漠然と苛烈な就職活動はやりたくないし、将来の保証が先細るサラリーマンにもなりたくないし…というそこそこのレベルの大学生が目指すというのが、マジョリティではないだろうか。
    はたまた私みたいに最初は事業会社に勤めながらも、やはり何となく文系の専門性の無さとその将来性を不安に思い、大企業で働くのも面白くないなあと思い辞めてしまい、一念発起して会計士になるパターン。
    (余談だが、慶應の内部生とかに多いパターンだと思うのだけれど、大企業のサラリーマンや医者、弁護士というコンサバティブな職業の選択肢の一つとして割と早い段階で公認会計士という職業を選択するパターンもあるのだけれど、少数ではあり本論とあまり関係ないので割愛。)
    いずれにせよ、何となく「組織内で生きるのが駄目っぽい」と悟っているという気質を持っている人が多いのではないかと思う。

    そう、端から向いてないのだ。

  2. 監査法人内での”放牧”(監査法人、管理されない問題)
    ただ、多少の組織内で生きる能力や気質の欠如というのは、他の学生も似たようなものなので、一般的な会社であればそれをキッチリと矯正する仕組みみたいのがある。
    社内研修やら、メンターやら、怖い先輩・古参の社員の存在…組織で生きるとはどういったことなのかをちゃんと分からせる仕組みがある。

    が、監査法人の場合、いい意味でも悪い意味でも、組織でキッチリと管理し育てるという仕組みが弱い気がするのだ。もちろん、あまりにも出来が悪い(お頭の良し悪しではなく、一般的なコミュニケーション能力、言葉遣い、生活態度など)人に対しては仕事を与えず干してしまうのだけれど、多少出来が悪くても、監査法人の多くの人達は基本的に穏やかであり、プロフェッションとして仕事を任せるという立場の人が多く、ぼっこぼこに矯正してギッチギチに管理するということはあまりない。

    なので、一般の事業会社と比較し、前述したもともとの会計士の気質も相まって、かなり好き勝手やってしまう人達がのびのびと育ってしまう(これは私もそうです。基本のびのびやりました。のびのび超長時間残業だったりしたこともありますが…)。

    ただ、監査法人は自由な雰囲気で風通しもよく、辞めた今でも過ごしやすい会社だったと思いますよ。一方的に悪いというわけではないです。

  3. ある程度自由にやらせるというスタンス(監査法人、管理しない問題)
    そして、ここから徐々に罪深くなる。管理されてこなかった人たちが徐々に年齢を経るにつれて職務が上がってくるのだけれど、そんな人たちは管理職になってどうなるか?

    やはり、きっちり管理されてこなかったから、管理するのが苦手な人が多い気がするのである(プロフェッションが管理されるのは単純にストレスが溜まるだけだけど、プロフェッションを管理するのは膨大なエネルギーを必要とするから、気持ち分からなくはないのだけれど)。自由放任、任せる文化と言えば聞こえはいいのだけれど、酷くなると単なる放置、単なる無関心に過ぎない。

    チームに誰がアサインされているのか知らない・興味がない、メンバーの業務内容を把握していない、残業時間知らない(そのエンゲージメントやプロジェクトにちゃんと利益が残ればOK!)、チーム間の日程調整ほったらかし、部下の評価・昇進・育成に興味なし…等々、マネジメントの業務から逃げてしまう人が一定数いるのである。それでも、何となく時が過ぎていき、特段短期的な評価にはあまり響かないのが恐ろしいところである。まあ、その上のパートナーの人たちも管理するのが苦手だったり、面倒くさかったりしたので、何となく気持ちがわかるんでしょうかね。

  4. 転職市場に放たれる”大きな子供”
    しかし、当然好き勝手にやってパートナーに昇格できるほど今の監査法人は甘くないわけで、行き詰ってしまう人たちが一定数出てくる。
    そんな人たちは肩書が「マネージャー」やら「シニア・マネージャー」といった肩書で法人から去り、上手いこと事業会社に転職したりするのだけれど、雇い入れた事業会社サイドでは、その肩書を真に受けて期待して管理職に据えたりすると痛い目を見るわけだ。

    なんでって、管理しないんだもん。というか、管理してきてないし。もっと言えば、興味もないし。

    そうやってリーダーシップも最低限のマネジメント能力もないまま、プロフェッショナル面して事業会社に来ると、当たり前ですが部下からは総すかんを食らい、さっぱり人望が得られず、チームとして機能しなくなる。で、事業会社のお偉方は「会計士使えねー」という評価が出来上がる。

とかなり辛辣な書きぶりになってしまったが、会計士が組織の中で生きるということに向いていない人が割と多く、向いていなくてもOKというおおらかな文化で育っているというのは理解しておいて良いかと思う。

逆に会計士の人は、事業会社に入るということは、今まであった監査法人の大らかで自由な文化は基本的にないということを肝に銘じて転職するなりして欲しい。特に伝統的な大企業であれば。