日記

日記です。

駄目な後輩について

久々のブログで愚痴である。

自分の会社では数年間あるランクにいると、次のランクへ昇格するかどうかの評価が行われる。面白いのは、その誰かを昇格させるかどうかについては、一緒に働いたことがある先輩の合議で決まる点だ。一応、不公平にならないように積極性や専門性など評価項目別に得点を付け、後日行われる評価の会議においてその先輩方が昇格させるか否かについて議論するのだ。

で、最近私のチームで働いている後輩の一人が昇格する年次になったのだが、彼のパフォーマンスがいまいちでどうしたものか悩んでいる。具体的に書くと、

  1. 意見がない
    自分の会社は専門職が多くいる会社であり、若い年次であっても自分の意見を求められる(ことが多い)。たとえ間違っていても、仮に先輩・上司と意見が対立しようとも自分の意見を述べることが一定の評価につながる(という傾向が強いと思われる笑)。
    が、その後輩はなかなか自分の意見を言わない。どう思うのか、どうしたいのかがわからないので、基本上に丸投げである。
    もちろん、組織なので自分で処理しきれないものがあれば、上司が引き取り対処するのが普通だ。コンビニで客からクレームがあり、バイトじゃ埒が明かないときは店長が出てきて対処するのが普通だ。
    だが、当然年次が上がり経験を積めば、何か問題が発生した時には、自分でどうすればいいのか、どうしたいのかを考えて対処することが求められる。そういう行動が評価につながる。

  2. 知識、経験がない
    これは3.の積極性のなさが根本的な原因だと思っているのだが、年次相応に求められる知識や経験が不足しているように感じる。
    また、何かわからないことがあったときに安易に周囲の人間に聞いてしまうため、知識不足を周囲に露呈してしまうのだ。それがさらにマイナス評価につながる。
    よく「人に聞けるのは若いうちだけ」と言われる。個人的に思うのは「人に聞くことでその人の知識不足、経験不足が露呈し、評価を下げる可能性がある」ということだ。
    もちろん聞くこと自体は悪いことではない。わからないことがあったら、聞くべきだと思う。ただし、聞くという行為自体は聞く側の人間は簡単だが、聞かれる側の時間を奪うし、「こいつこの年になってこんなことも分からないのか…」と評価を下げる可能性がある。聞くということにはそれなりにリスクがあるということを自覚すべきだと思う。

  3. 積極性がない
    今自分がいる会社はいい意味で挑戦を認める会社である。例え経験したことがない業務であっても、手を挙げれば割とアサインが通る。また、会社自身もそうしたチャレンジングな精神を評価する。当然、こういった人間が昇格しやすい。
    逆に言えば、積極的に何かをやろうとする姿勢がなく、現状の業務を粛々とこなしているだけだと、なかなか評価に繋がってこないという側面がある。
    後輩もまた、積極性がない人間の一人であり、素直に作業はするのだが、自分がどんな業務を担当したいのか、将来的にどうしたいのかがいまいち見えてこない。

  4. 寝技ができない
    これまでに挙げた主体性、専門性、積極性というのは割とどこの会社にでも、見られる評価項目だ。この評価項目をクリアしていけば昇格には問題はない。
    では、こうした特徴がない人間は昇格できないかといえば、ぶっちゃけそうでもない。
    昇格に際しての評価自体は定量的な基準でなるべく不公平がないような仕組みになっているが、当然最終的に人が評価する以上、その人の「好き嫌い」が出てくる。
    多少、欠点がある後輩でも、日常的に飲みに行ったり、共通の趣味があったりすれば、評価の際に細かいことは多少目を瞑って、ちょっと会議で推してやろうかという気持ちになるのは仕方がないことであると思う。多少は。
    なので、嫌な話であるが、自分の評価が芳しくないと思えば、ある程度ゴマすりが効くのだ。
    自分自身は、飲み会にはそこまで積極的ではないし、休日は一人で過ごしたいし、おべんちゃらの類は嫌いである。が、これが「効く」人もいるのは事実。飲み会を積極的に開いてみたり、上司に積極的にコミュニケーションをとるような「寝技」を使うのも一つの手だ。
    が、後輩、それが全くできない。別に飲み会を断るわけでもなく、誘われてもいくのであるが、飲み会では完全に空気である。積極的に話しかけもしないし、かと言って酔っぱらって騒ぐというわけでもない、にこやかに飲んでいる。いい意味でも、悪い意味でも目立たないのだ。また特になにがしかの幹事を引き受けるというわけでもない。

 と、ここまで書いてきて、なんか最低の奴みたいだが、普段は穏やかでにこやかに過ごしている好青年だ。友人として接する分には全く問題がない。

が、こと1人のビジネスマンとして、専門家として評価するとなると、かなり点数が低くなってしまい、どうしたものかと悩んでいる。

これまでもいろいろとなだめたりすかしたりしてきたが、積極性やら主体性やらを身に着けさせることができなかった。というか、そんなこと他人ができるのかと思って、あきらめの境地に来ている。

 

又吉直樹『火花』、文芸春秋、2015年

かなり正統派な青春劇

それなりに著名なお笑い芸人の出世作。ご存じの通り、羽田圭介の『スクラップ・アンド・ビルド』と第153回の芥川賞を受賞した。 

 

個人的にはあまり純文学、というか小説全般を読まないので、批評というか感想文になってしまうのだけれど、よくまとまった青春劇だと思った。

漫才師として高みを目指す主人公と、彼が師と仰ぐ先輩漫才師との生活を丁寧に描いている。当然、主人公が漫才師であるし著者自身も芸人であるので、ところどころに笑えるシーンが出てくる。村上龍の選評では冗長であるという批判が書いてあったが、このちょっとしたお笑いが聞いていて、個人的には長さを感じさせず面白く読めた。

 

ただ、これは自分自身がそんなに純文学に精通しているわけではないので(まあ、芥川賞になった作品ぐらいは読むかという程度)、「なぜこの作品が芥川賞なのか?」という疑問は残ったままだ。

 

しかし、『火花』とは関係ないのだけれど、文芸春秋に掲載されている記事のほかの筆者は、古賀誠中曽根康弘立花隆小宮隆太郎…とかなり重鎮というか一線を退いて随分経つ人たちが多いのが気になる…

日本で一番売れている論壇誌ならばもう少し若い人に書かせてもいいんじゃないかなと思う次第。

そんな中で、綾瀬はるかがインタビューが載っているのを見ると、これからの高齢化社会の中で彼女はそれなりに固い地位を築いているのかもしれないと思った。